憲法条文シリーズは、試験でよく出そうな日本国憲法の条文を解説するシリーズです。

 まずは問いに答えて、それから解説を読みます。さらに、発展的な内容については<発展>という項目で解説を試みます。社会科が苦手だなと思う人は<解説>まで。得意だという人は<発展>まで読んでみてください。

 復習は、条文を音読し、間違えた場合は正解を覚えましょう。空欄のまま条文が読めるようになれば合格です。


<問い>
 日本国民は、正当に( )された( )における( )を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との( )による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び( )が起ることのないやうにすることを決意し、ここに( )ことを宣言し、この憲法を確定する。そもそも( )は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は( )に由来し、その権力は( )がこれを行使し、その福利は( )がこれを享受する。これは( )の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。 






 
<答え>
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。 


<解説>
 憲法条文シリーズの最初は前文です。前文(ぜんぶん)と読みますが、音では全文(ぜんぶん)と区別するために、「まえぶん」と読むこともあります。前文は4段落から成り立っています。今回は前文の1段落の解説です。


「日本国民は、正当(せいとう)に選挙(せんきょ)された国会における代表者を通じて行動し」について

 これは間接民主制(かんせつみんしゅせい)について書いている文だと言われています。くわしい説明は後ほど...。下の図で言うと、STEP1に相当する内容です。

内閣総理大臣になるまでの道のり


「わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢(けいたく)を確保(かくほ)」について

 「恵沢(けいたく)」というのは「恵み」ということです。「日本において人が自由に生きられる恵みを手に入れた」ということで、「基本的人権(きほんてきじんけん)」について述べた言葉だと解釈されています。「基本的人権(きほんてきじんけん)」とは、「人として大切に生きられること」を意味します。



「政府の行為によつて再び戦争の惨禍(さんか)が起(おこ)ることのないや(よ)うにすることを決意し、」

 「政府の行為」によって、再び戦争は引き起こしませんということを宣言しています。




「ここに主権(しゅけん)が国民に存することを宣言し、」

 「主権」とは、国の政治を最終的に決定する力のことを言います。これを国民が持っているのだと言っています。つまり、「国民主権(こくみんしゅけん)」(「主権在民(しゅけんざいみん)」ということもある)のことを言っています。




「そもそも国政は、国民の厳粛(げんしゅく)な信託(しんたく)によるものであつて、その権威(けんい)は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利(ふくり)は国民がこれを享受(きょうじゅ)する。これは人類普遍(じんるいふへん)の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」について

 これは間接民主制(かんせつみんしゅせい)について書いている文だと言われています。簡単に言うと、国民があらゆる内容について政治決定をするのではなく、国民が選挙を通じて代表者に国政をお願い(信託)して、それを受けて代表者(国会議員)が政治権力を行使して、その結果を国民が受け取る(享受(きょうじゅ)する)ことを言います。




「これは人類普遍(じんるいふへん)の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅(しょうちょく)を排除する。」について

 これらの憲法の思想は絶対的なもので、これに反する別の憲法を作ってはいけない、法令を作ってはいけないと言っています。


<岐阜県公立高校過去問出題実績>
[平28-3-4]・・・国民主権という言葉を答えさせる問題。