今回から2回にわたって、「三権分立(さんけんぶんりつ)」についての解説をします。


  「三権分立(さんけんぶんりつ)」とは、3つの権力が分かれているということなのですが、もう少し具体的にとりあげてみることにします。



<問題>
  1. 日本国憲法における「三権」とは具体的にどのようなものを指すのかを答えなさい。
  2. 「三権分立」とは日本国憲法に取り入れられている制度ですが、なぜこのような制度を取り入れられているのかを答えなさい。
 
 前提としてこれが分からないと、単なる丸暗記になってしまいます。「丸暗記」はすぐに忘れてしまいますし、試験でも直接聞かれる知識です。

 このブログでは間違えても構わないので、ぜひ考えてみてください。






<解説>

1. 日本国憲法における「三権」とは具体的にどのようなものを指すのかを答えなさい。
 
 「三権」とは「3つの権力」だと言いました。具体的には、「立法権」「行政権」及び「司法権」を指します。


 何を言っているのか分からないと思ったみなさん、大丈夫です。今から説明しますが、その前に公民の勉強をする時に覚えておいてほしいことがあります。それは「言葉が分からないことをごまかさない」ことです。まず日常生活でこの言葉を使う場面はないですから、イメージがつかみにくいですね。このブログでいつも言っているように、まずはざっくりとした言葉のイメージをつかんでいって、少しずつ正確に意味をとらえるようにしていきます。このブログでもそのように説明するようにしています。教科書はやはり正確な説明が大切なのでがんばって正確に説明するように文章が書かれていますが、正確に説明しようとすればするほど、あの例外も入れよう、この例外も入れようとかあれもこれもを説明したり、意味内容を変えずに難しい言葉を簡単に説明すること自体が実はかなり難しいことなのです。ですから、みなさんの中には、教科書や資料集の「言葉の意味の説明の言葉の意味が分からない」と言う人が一定数いますが、それはやむを得ないことなのだということを知ってください。ボクはその点は、少しは意味の内容が変わってしまうかもしれませんが、なるべく簡単な言葉で説明して分かってもらえるように努力をしますので、よろしくお願いします。


  話をもとに戻します。それでは1つずつ解説をしていきます。

 「立法権」とは、「"法"律を"立"てる」つまり「法律を作ることができる権利」という意味です。「権利」というのは、簡単に言えば「~できる」という意味だと思ってください。ですから、「法律を作ることができる権限」ということです。

 次に、「行政権」とは、「"政"治を"行"うことができる権限」という意味です。

 最後に、「司法権」とは、「"法"を"つかさ(司)"どる権限」ということですが、これはもう少しきちんとした説明が必要です。例えば、「借りた金を返さないから困っている」とか「人を殺してしまった」とかそういう問題は法律問題なのです。「借りた金を返さないから困っている」ことを法律を通じて解決する。あるいは「人を殺してしまった」けれども、殺してしまった人に罰を与えたりできるのは「刑法」という法律に書いてあるからなのですが、そういう法律のトラブルを解決することができる権限のことだと思ってください。


 言葉の意味は大丈夫でしょうか。この3つのことを指します。この3つの権力が分かれているのが「三権分立」ということです。ぼやっと分かってきましたか?まだ100%分からなくてもOKですよ。あわてない!


2. 「三権分立」とは日本国憲法に取り入れられている制度ですが、なぜこのような制度を取り入れられているのかを答えなさい。

 もし逆だったらどうなのかということを考えてみましょう。つまり、「立法権」「行政権」及び「司法権」が集中していたらどのようなことが起こるのかを考えてみます。

 昔、特にヨーロッパの国で起こっていた話なのですが、王様が人々に重い税金を課したり好き勝手な決まりごとを作ったり(立法)して、実際に政治をして(行政)、何か気に入らなかったりしたらすぐに刑罰を執行して牢屋(ろうや)にぶち込んだり(司法)できてしまって、"やりすぎ"が起こってしまうのです。

 困るのは国民ですね。本来、こういった権力というのは「国民の生活や命を守るため」のものに存在するものでなくてはなりませんね。

 そこで、この3つの権力を違う人(機関(きかん))に持たせて、国民の生活や命を守る、もう少し専門用語を使うと一人一人の基本的人権を守るため、「やりすぎ」が起きないように、お互いがお互いをチェックしてバランスをとるようにしました。

 こういうふうに、やりすぎを防止するために権力を分散させ、国民の基本的人権を守っていきましょうと言ったのが、フランスのモンテスキューという人物で、『法の精神』という書物に書きました。


<解答>
1. 立法権・行政権・司法権
2. 国民の基本的人権を守るため。


 次回は、日本の制度ではどのようになっているのかを具体的に見ていきましょう。


参考: http://www.kantei.go.jp/jp/kids/shakai/sankenburitsu/index.html


<岐阜県公立高校過去問出題実績>
[平28-3-1]