今回も参政権(さんせいけん)についての解説を、問題を解きながらやってみましょう。

<問題>
 「選挙の4原則」とは何か。




 
<解答>
 選挙の4原則とは次のような内容です。
選挙の4原則
<解説>
 もちろん丸暗記で試験問題を解くことはできますが、それでは面白くないですから1つずつ解説します。


1. 普通選挙について
 「普通選挙」とは、一定年齢以上の人はすべての人が選挙権を持つことを言います。

選挙権取得年齢の歴史

 現在はすべての男女18歳以上に選挙権が与えられています。2015年(平成27年)6月に公職選挙法(こうしょくせんきょほう)が改正され、20歳以上から18歳以上となりました。さらに、時事問題として押さえてもらいたいのは、18歳以上の男女に選挙権が与えられた最初の選挙は、2016年(平成28年)7月に行われた(第24回)参議院議員選挙の時からです。
公職選挙法第九条第1項
 日本国民で年齢満十八年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
 細かいですが、市町村議会及び市町村長についての選挙権は、引き続き3か月以上市町村の区域内に住所を有する者という要件がプラスで付きます。また、知事・都道府県議会議員の選挙における選挙権については、 引き続き3カ月以上その都道府県内の同一の市区町村に住所のある者という要件がプラスで付きますが、試験対策としてはちょっとここまではやりすぎかなとは思います。

 興味のある人は、総務省のウェブサイトを読んでみてください。


 
2. 秘密選挙について 
 「秘密選挙」とは、無記名で投票することを言います。もし自分の名前をテストの答案用紙のように投票用紙に書いて投票すると、だれがだれに投票したのかが国や地方公共団体に分かってしまいます。こうなると、投票する人に対して「だれだれに投票してくれ!さもないと...。」と脅迫(きょうはく)されたりする可能性が高まります。このようなことをされると、一人一人の参政権(さんせいけん)という政治に参加する基本的人権を傷つけられることになりますね。ですから、秘密選挙の原則を日本国憲法では採用されました。
日本国憲法第15条第4項
 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
 日本国憲法第15条第4項にこのことが書いてありますね。


3. 平等選挙について
 「平等選挙」とは、1人が1票を持つことだけでなく、1票の価値が平等であることを言います。一人が一票を投票するというのは分かりますね。税金を多く収めている人は一人二票にしましょうとは言ってはいけません、ということです。これはそんなに難しくありません。

 ちょっと難しいのは、1票の価値が平等という部分です。下の例を見て理解してください。

一票の価値の平等

 A選挙区は有権者(投票できる人)が100万人いて、そこから1人の代表者を選出します。B選挙区の有権者は50万人でそこから1人の代表者を選出します。そして、C選挙区は25万人の有権者がいて、そこから1人の代表者を選出するものとします。

 本来であれば、1票の価値を平等にするためには、C選挙区から1人を選出したとすると、B選挙区からは2人選出し、A選挙区からは4人選出されなければ、1票の価値は平等とは言えませんね。

 ところが、A選挙区からもB選挙区からもC選挙区からも1人しか選出されないとなると、1人あたりの1票の価値が不平等になることは明らかですね。C選挙区の1票の価値はA選挙区の1票の価値と比較すると、4分の1しか価値がないことが分かります。これを分かりやすく票数で表現すると、C選挙区の一票の価値は0.25票しかないことになります。これはマズイぞということです。これが一票の格差の問題というもので、衆議院議員総選挙や参議院議員通常選挙が終わるとすぐに有志の弁護士さんたちが一票の格差をめぐって裁判をやっていて、ニュースにもなりますが、それはこの話なのです。

 みなさんが住んでいる場所の一票の価値はどのようなものになっているでしょうか。ぜひこのサイトで調べてみてください。



4. 直接選挙について
 直接選挙(ちょくせつせんきょ)とは、直接候補者に投票することを言います。これに対応するものとして間接選挙というものがありますが、これはアメリカの大統領選挙で採用されているのが代表例です。

直接選挙と間接選挙

 間接選挙は有権者と候補者の間にだれかが入るから間接なのだということさえ知ってもらえればOKです。


 どうしても覚えられないという人は、強引な語呂合わせですが、

「ち」「び」「秘密」「普通」

と項目をまず丸暗記してもらって、少しずつ1つずつの内容を理解するというやり方もありですから、参考にしてみてください。

 
 解説はちょっと難しかったと思いますが、4つの原則についての理解につながればよいなぁと思っています。