今日からは衆議院の優越について勉強してみましょう。とても大切なところですから、じっくりと勉強していきます。


 それでは、いつものように「問い」を出しますので、初めて学習する人以外は思い出してみてください。復習の時に答えられるようになれればOKです。


<問い>
  1. 「衆議院の優越」とは何か。
  2. 憲法上、「衆議院の優越」が反映された内容を4つ答えなさい。
  3. なぜ衆議院の優越は認められるかについて理由を述べなさい。






<解説> 
 「国会」「内閣」及び「裁判所」の条文や制度を勉強する場合には、必ず「三権分立」の図を頭に置きながら勉強するようにしてください。

三権分立のしくみ

 どこの何の話をしているのかを全体像を見ながら勉強してください。これは「国会」「内閣」及び「裁判所」を勉強するときの地図のようなものだと思ってください。もし、三権分立が分からないという人は、以下のシリーズを必ず見てから解説を見るようにしてください。

 今日は国会の中の衆議院と参議院の関係について見ていきます。

 国会の議決というのは、衆議院と参議院で示された意思表示の合致(「賛成」「反対」「可決」「否決」などが衆参で一致)させるのが原則です。

 ところが、衆議院と参議院で異なる議決がされた場合、どのようにすればよいのでしょうか。意思表示が合わないから、その議案は否決されたことになってしまうのでしょうか。その点について、憲法では「衆議院の優越」が認められます。つまり、衆議院と参議院の議決が異なった場合、衆議院の議決を優先させるということです。これが問いの1.についての解答です。


 では、具体的にどのような議案について衆議院の優越が認められるかというと、それは次の4つです。

衆議院の優越
 この4つはとりあえず内容は分からなくてもよいので、丸暗記してください。1つずつ内容はあとで詰めていきますから、内容は後でかまいません。これを知っているだけで点数が取れます。これらの4つの内容の議決を行う場合には、衆議院が参議院を優越するのだととりあえず覚えてください。


 さて、最後の問いですが、なぜ衆議院が参議院を優越するのかということについてお話ししておきましょう。


 衆議院と参議院は選挙権や被選挙権において違う点がありますが、これについて振り返ってみましょう。

両議院の比較H29-7


 「衆議院の優越」を考える際に大切なポイントは、「解散あり」と「解散なし」の部分です。解散があるとどうなるのでしょうか。解散されると選挙があります。選挙は国民の声(民意)を聞くチャンスですね。これに対して参議院は解散がないので、少なくとも3年間は国民の声は聞けないわけです。これに対して衆議院はいつでも解散があります。そういう意味で、解散があることで衆議院の方が参議院よりも民意が反映されやすいと言えます。これが衆議院の優越が憲法上でも認められる理由です。


<解答>
  1. 衆議院の優越とは、衆議院が参議院に対して優越的な地位についていることであり、衆議院と参議院が異なる議決を行った場合に衆議院の議決を優先させることである。
  2. 次の4つである。
    1. 法律案の議決
    2. 予算の議決
    3. 条約締結の承認
    4. 内閣総理大臣の指名
  3. 衆議院には任期が終わる前に解散があり、民意を反映させられるため。