前回の続きをやりましょう。

 簡単に復習をすると、歴史の流れを上手につかむことができない場合は、まずは時代区分の名前と順番を正確に覚えることが大切だということを述べました。大丈夫でしょうか?もう一度確認をすると、

旧石器時代
縄文時代
弥生時代
古墳時代
飛鳥時代
奈良時代
平安時代
鎌倉時代
室町時代
安土桃山時代
江戸時代
明治時代
大正時代
昭和時代
平成時代

の順番ですね。頭文字をつなげて語呂合わせのようにして覚えるのもよし、替え歌を使って覚えるのもよし、とにかく頭の中に叩き込むことが大切です。

 

 前置きが長くなりましたが、今回の記事のメインに入りましょう。


 時代区分を暗記した後にまだ年号の暗記に入らないでください。次にやるべきなのは、各時代の特徴(イメージ)をザックリと捉えていきます。

  1. 「古墳時代」「飛鳥時代」「奈良時代」「平安時代」は、天皇とそれを支える朝廷が主人公の時代
  2. 「鎌倉時代」「室町時代」「安土桃山時代」「江戸時代」は、武士が主人公の時代
  3. 「明治時代」「大正時代」「昭和時代」「平成時代」は、今の私たちに近い時代

 本当に歴史が苦手だという人でも、この程度であれば覚えられるでしょう。いきなり歴史上のできごとと年号を丸暗記する勉強は苦痛ですよね。だから少しずつ細かいところに入っていくのです。これが苦手な勉強のやり方です。無理しないところからやっていきましょう。


 次は各時代の大まかな内容についてここで解説すると、ほぼ社会の授業をここでやることになってしまうので、ここでは省略しますが、各時代を勉強するときも、いきなりガッツリ各時代を頭からお尻まで勉強するのではなく、時期の特徴に応じて「前期」「後期」などと分けて学習することをオススメします。特に「平安時代」以降は、「平安時代」の中でもいくつか特色がありますから、それに応じて分けて考えるべきです。参考までに「平安時代」について解説しておくと、

  • 「前期」(794年~894年)…天皇を中心とする公地公民の復活を試みた時代。894年の遣唐使廃止頃から日本独自の文化(国風文化)ができて、政治の流れもここから変わり始めるので、これを前期とする。
  • 「中期」(894年~1086年)…文化では「国風文化」が全盛。政治では藤原氏による「摂関政治」が全盛。藤原道長が有名な時代。
  • 「後期」(1086年~1192年)…藤原氏の摂関政治の続行ができなくなり、天皇や天皇を辞めた上皇が政治の中心に。同時に上皇や貴族を守るための武士が台頭した時代。

といった感じで分けてからそれぞれの歴史的できごとを学習するという方法です。


 最後に、歴史的なできごとを学んでいる時に、大きな時代の流れの位置づけを決して忘れてはなりません。それが前回解説した大きな歴史の流れです。各時代とできごとを結ぶという意識は絶対に忘れないでください。そうすると、年号も自然と頭が入ってきます。 




歴史のできごとの並び替え問題をうまく解くコツ

はこれらの話から推測することはできませんか?大まかな時代区分から徐々に細かいできごとを学習する方針を立てていれば、簡単な問題であれば即答できてしまいます。

次のア~エは室町時代に起こった出来事について述べたものである。時期の古いものから順に答えよ。

ア、織田信長が桶狭間の戦いで今川義元の大軍を破った。
イ、足利義満が京都の室町に御所を建て、そこで政治を行なった。
ウ、足利尊氏が征夷大将軍になり、京都に幕府を開いた。
エ、将軍の跡継ぎ問題を巡って、応仁の乱が起こった。

 アは安土桃山時代、イは室町時代前期 ウは室町時代前期 エは室町時代中期と断定できます。そこで、「イウ→エ→ア」という順番が確定します。

 室町時代のイとウはどちらが古いかどうかは、室町時代の将軍の名前を時代順に覚えているかどうかが勝負です。イの足利義満は3代将軍、ウの足利尊氏は初代将軍ですから、ウ→イの順が確定です。

 そういうわけで、「ウ→イ→エ→ア」が正解です。


 難しいのは、明治時代だけや昭和時代だけで並び替えの選択肢ができあがってしまう場合です。江戸時代までは特定の人物が登場する順番さえ覚えておけば意外に簡単に解けてしまいますが、明治時代以降は目立った人物を覚えても、なかなか並び替えることができなくなります。だからこそ、大ざっぱなところから徐々に細かいところに勉強が入ってきた時に、きちんと因果関係(なぜ起こったのか?→結果としてどうなったのか?)を丁寧に追いかけてください。学校や塾などの授業はきちんと因果関係を意識して聴くようにしてください。


 2回のシリーズではおおまかな勉強の方針しかお話しできませんでしたが、各時代をそのように整理して勉強することをお勧めします。たとえ、問題演習中心で学習しているみなさんも、結局は知識を整理しないと膨大な知識を覚え込むことはできませんから、2回の連載でお話した指針を守って学習を進めていってくださいね。