中学生のための社会科講座

高校入試対策や中学校の定期試験対策をしながら、社会で起こる様々な問題をいっしょに考えましょう。また、もう一度学びなおしたい高校生、大学生または社会人の方にも楽しんでいただける内容です。


カテゴリ: 試験勉強とは?★

 試験における「基礎」とは、試験問題を解くにあたっての拠りどころとなる知識のことを言います。「赤信号は止まらなければならない」ことを知らない人が運転する車には一緒には乗りたくないでしょう。また、「止まるのだったかな?」と迷ってから「赤信号だから車を止めよう」と決断する人が運転する車にも同乗したくはないでしょう。

 勉強も同じです。「基礎知識」とは、瞬時に出せなければならない知識のことを指します。「基礎知識」がない人というのは、「赤信号だから止まらなければならない」という知識を“瞬時”に引き出せない車のドライバーと同じようなものだということを明確に分かっておく必要があります。 テキストや先生が「暗記」するように指示したところは、スラスラと言えるようにしておく必要があります。これは受験生である皆さんの重要なお仕事です。

 スラスラと言えるようになるまで、10回でも20回でもやり続ければよいだけなのです。この点については一切妥協を許してはいけません。

 ただし、注意しなければならないのは、1回で完璧にやろうとは思わないことです。意外にも、完璧主義者に成績上位者は少ないです。 何度も何度も繰り返しやって完璧にすればよいという心構えを作っておきましょう。

 どうしても丸暗記しなければならないこともあります。丸暗記をした方がかえって基礎知識が身に付くということもあります。しかし、物事には理屈があるし、知識には急所(押さえどころ)があります。それを解説して皆さんの理解を助けるのが学校の先生や塾の講師や参考書の役割です。「理解」できると「覚え」られ、やがて学習が「楽しく」なるものです。これを繰り返すと、知識は「常識化」します。昨日も書いた通り、「赤信号停止の知識=常識」ですよね。これを試験の世界でもやればよいのです。

 ここで、人間はどうやって知識を手に入れ、それを使って物事が考えられるようになれるのかを説明します。大人が読むビジネス書の中には「勉強法」というジャンルがあるのですが(大人でも読むんですね)、そういう本によく書かれているお話です。
■ 符号化 (記銘(きめい))
 原則として、理解をしながらインプットをする(知識を仕入れる)
  ↓
■ 貯蔵(ちょぞう) (保持)
 短期記憶から長期記憶へと変換する  
  (↑印象を与えるor反復することによって変換できる)
  ↓
■ 検索 (想起(そうき))
 何も見ずに、アウトプットができる(知識を引き出す)。
 「知識の常識化」ができるようになるまで「アウトプット(思い出して表現する)」
 思い出せなかったところを再び「インプット」する。 (覚えたことを使えるようにする)

 「理解」や「基礎知識の指摘」は、学校の教科書であったり教師などがある程度まではやってくれることです。しかし、これに基づいて自分で理解をし直し、理解できているかを問題集や本書の再現などの作業を通して「アウトプット(外に出す、表現する)」して「常識化」するのは、皆さんの仕事です。もちろん、参考書の筆者や学校や塾の教師は生徒に対し自分が教えている「知識」をできるだけすぐに「常識」のレベルの知識にしてもらえるような努力を重ねています(つまり授業や表現を工夫して「印象を与える」こと)。しかし、他人にばかり「常識化」の作業をまかせっきりにしてしまう態度は大変問題です。授業や教科書や参考書はあくまで自分が知識を身につけるための道具・補助にすぎません。このことを明確にしておきましょう。

 前々回の記事の最後の方にも書きましたが、大事なことなので、1枠とって、改めてていねいにお話します。

 いきなり細かいことを覚えようとしてもそれは難しいです。「初めはザックリ、少しずつじっくり、最後はしっかり」というのが勉強の理想です。見出しには、「最初から」と書きましたが、勉強内容を習得するためには、覚えられるまで反復することが大切です。具体的な回数を目標にするのではなく、覚えられるまでやり続けることです。

 伸び悩む学生のほとんどは、「覚えられるまでやり続けられない」だけです。 覚えられるまでやり続けることは根性論ではなく、技術で何とかなるものです。人間は親しみを持てないものを記憶することは難しいものです。したがって、親しみが持てそうなところや分野から少しずつ入っていけばよいのです。例えば、自分にとって細かすぎる部分(知識)があれば、視点を広くとって、大ざっぱに小見出しなどの言葉を見て「こういう言葉があるのだな」と感じてそこで終わります。少し時間をおいて、次はその言葉を思い出せるかどうかを試してみます。これができれば、もう少し細かい視点で、「では図表にどのような単語や文が書いてあるのかを見てみよう」などと対象を細かく変えてみたりします。

 また、自分にとって身近な事例(すでに知っていること)に重ねて理解をするのもよいでしょう。そうすると、「知っていること(前に見て覚えたところ)」にプラスしていくことになるので、知識を増やす作業がやりやすくなります。これをテスト範囲の分だけを繰り返していけば、常識化の作業は完了です。 試験会場に持って行けるのは、正確な知識だけです。繰り返しの作業を通して、知識を試験会場で思い出せるようにしていきましょう。

↑このページのトップヘ