今回から内閣のお話をやっていきましょう。

<問い>
  1. 行政権はどのような国家機関が持っているか。
  2. 内閣は、( ① )とその他の( ② )で構成される。
  3. 2.( ① )はどのような過程を経てなることができるか。
  4. 2.( ② )はだれから任命されるか。
  5. 2.( ② )のうち、国会議員はどれぐらいいなければならないか。




 
<解説> 
 「国会」「内閣」及び「裁判所」の条文や制度を勉強する場合には、必ず「三権分立」の図を頭に置きながら勉強するようにしてください。

三権分立のしくみ

 どこの何の話をしているのかを全体像を見ながら勉強してください。これは「国会」「内閣」及び「裁判所」を勉強するときの地図のようなものだと思ってください。もし、三権分立が分からないという人は、以下のシリーズを必ず見てから解説を見るようにしてください。

 それでは、解説します。


 まずは、内閣のトップである内閣総理大臣はどのようにすればなれるのか。

内閣総理大臣になるまでの道のり

 この3段階のプロセスを踏んで内閣総理大臣になります。

 憲法の前文で、
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
とありますが、3つのステップを踏んでいくと、内閣のリーダーは日本国民の代表者であると言うことができますね。


 内閣総理大臣は一人で行政権を握るのではありません。あくまで、行政権を持っているのは内閣(ないかく)というチームなのです。

 内閣総理大臣は、自分がやりたい政策を実現するためにチームの仲間を選ぶことができます。その仲間のことを国務大臣(こくむだいじん)と言います。新聞などには「閣僚(かくりょう)」と書かれることもありますが、試験対策としては国務大臣で覚えてください。内閣総理大臣は国務大臣を選ぶ権限を持っています。また、同時に辞めさせる権限も持っています。そのことが憲法68条に書いてあります。
憲法第六十八条
  1. 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
  2. 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
 国務大臣は総務省とか法務省などの行政機関のトップになることができます。ニュースでよく出てくる財務大臣や外務大臣などといった名前が出てきますが、それが国務大臣が行政機関のトップになることができるという意味です。

主な行政組織

 それぞれの組織が具体的にどのような仕事をしているのかは、首相官邸のウェブサイトを見るとよく分かります。

 国務大臣の過半数は国会議員でなくてはなりません。国会議員の中から内閣のメンバーが選ばれるということは、国会によって内閣をコントロールできることを意味します。もし内閣総理大臣が自分の意見の合う人だけを国務大臣に選べるということになったら、国会の意思が無視されやすくなり、国会の意見を内閣にうまくあげることができなくなります。そういうことを防ぐため、国務大臣の過半数を国会議員としなくてはならないという規定を置いたのです。




<解答>
  1. 内閣
  2. ①内閣総理大臣 ②国務大臣
  3. 内閣総理大臣は国会議員であり、国会の指名に基づいて天皇が任命する。
  4. 内閣総理大臣
  5. 国務大臣のうち過半数は国会議員でなければならない。