<問い>
  1. 最高裁判所の裁判官が適任かどうかを国民に判断してもらうために、有権者に投票してもらう制度のことを何というか。
  2. 1.はどのような場合に行われると憲法に書いてあるか述べなさい。






<答え>
  1. 国民審査
  2. 任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に更に審査に付される。

<解説> 
 「国会」「内閣」及び「裁判所」の条文や制度を勉強する場合には、必ず「三権分立」の図を頭に置きながら勉強するようにしてください。

三権分立のしくみ

 どこの何の話をしているのかを全体像を見ながら勉強してください。これは「国会」「内閣」及び「裁判所」を勉強するときの地図のようなものだと思ってください。もし、三権分立が分からないという人は、以下のシリーズを必ず見てから解説を見るようにしてください。

 今日は最高裁判所裁判官の国民審査について解説します。

 まずは最高裁判所の裁判官がどのように任命されるのかを確認します。長官とそれ以外の最高裁判所裁判官とは少し異なりましたね。まずは図を使って基本知識を確認しましょう。

最高裁判所長官になるまでの道のり

最高裁判所長官以外の最高裁判所裁判官に丸なるまでの道のり

 今回の国民審査についてはこの後の話です。

 まず時期についてお話しますと、任命や認証を受けた後、初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査が行われます。衆議院議員総選挙の投票所に行くと、小選挙区と比例代表区の投票用紙が手渡されますが(選挙制度についてはこちら)、国民審査の投票用紙も渡されます。

国民審査について

 このような投票用紙を渡され、辞めさせたい(罷免させたい)と思う最高裁判所裁判官にバツを付けて投票します(最高裁判所裁判官国民審査法第22条)。これが国民審査です。国民審査を受けて初めて正式な最高裁判所裁判官になるわけではなく、国民審査は辞めさせたいと思う裁判官を選ぶだけですから、任命や認証を受けた段階できちんとした最高裁判所裁判官となるわけです。

 この国民審査は、審査が行われて10年を経過した後に初めて行われる衆議院議員総選挙の際にまた審査されます。


 国民審査は選挙権や被選挙権と並ぶ参政権(さんせいけん)の1つとして数えられています。 


 ついでに、裁判官の身分保障についての復習も行っておきましょう。